富裕層注目の「タワーマンション節税」とは?節税の仕組みや注意点を解説

2015年に相続税額が改正されたことで、富裕層の税負担が重くなりました。今や富裕層の方々にとって、将来の相続税負担は頭の痛い問題です。

この先、何があるか分からないご時世ですから、なるべく多くの資産をご家族に残したいですね。

そこで、最近注目を集めているのが「タワーマンション節税」です。タワーマンションを購入して、相続税が安くなるとは、いったいどういうことでしょう。

また、タワーマンション節税は、2018年以降効果が薄れるとも言われており、その真偽も気になります。

今回は、タワーマンション節税の仕組みや節税額、今後の動向についてお伝えします。

タワーマンション節税の意義と背景

タワーマンションとは、20階以上の超高層マンションです。眺望の良さを売りにしているので、高層階が特に人気です。そのため、タワーマンション高層階は、低層階に比べて価格が高いという特徴を持ちます。

タワーマンション節税は、この価格差に着目した節税方法です。すなわち、市場価値の高いタワーマンション高層階を相続前に購入して、相続税を節税するのです。

タワーマンション節税が注目された背景としては、2015年1月の相続税改正が挙げられます。改正後は、相続する金額が2億円を超えた場合に、従来よりも相続税率が高くなります。また、相続税の基礎控除額も以下の通り変更されました。

【相続税の基礎控除額】
改正前:5000万円+1000万円×法定相続人の数
改正後:3000万円+600万円×法定相続人の数

相続税額は、すべての財産から基礎控除額を引いた金額をもとに算出されます。すなわち、基礎控除が減るというのは、相続税を支払うべき人が増えたことを意味します。

例えば、法定相続人1人の場合、従来であれば相続分6000万円(5000万円+1000万円×1)まで非課税でした。ところが、改正後は3600万円(3000万円+600万円×1)を超えると課税対象となります。

このように、富裕層を中心として相続税負担が増したことが、タワーマンション節税の人気につながったのです。

タワーマンション節税の仕組み

次に、タワーマンション節税の具体的な仕組みを見ていきます。

マンションの課税評価額について

マンションに限らず、不動産の相続税評価額はすべて「土地」と「建物」で別々に算出されます。それぞれの評価方法を、順に説明します。

1.建物の評価方法

マンションのうち、建物部分の相続税評価額は、固定資産税評価額と同様になります。固定資産税評価額とは、地方税法によって総務大臣が定める固定資産税評価基準に基づき、市町村が決定するものです。一般的に、評価額は建物建築費の50~70%程度と言われており、マンションの場合は部屋の広さに応じて算出されます。

なお、固定資産税評価額は、毎年届く固定資産税の納税通知書で確認できます。3年に一度改定されますので、毎年チェックしましょう。

2.土地の評価方法

マンションなのに「土地」と聞くと、イメージしづらいかもしれませんが、マンション所有者は「敷地権」というものを有しています。

敷地とは、マンションが建っている土地のことで、この土地はマンション所有者全員の共有になるのです。持分割合は、マンションの専有部分の面積に応じて平等に決まります。

土地の相続税評価額は、原則として路線価方式により算出され、路線価が無い場合は固定資産税評価額と同様になります。

路線価方式とは、宅地に面する主要道路に付けられている「路線価」をもとに土地の評価額を算出する方法です。

路線価は、国税庁のホームページに掲載されています。路線価方式によって土地の評価額が算出された場合、時価の60%~80%の範囲内に収まることが多いです。

このように、土地と建物を相続する場合、現金相続に比べて税制上は有利なことが分かりました。その上、タワーマンションは特殊な条件が重なるため、通常の土地・建物を相続した場合より、さらに節税効果が見込めるのです。

タワーマンションは、土地の持分割合が低い

タワーマンションは、超高層ビルです。そのため、1棟あたりの世帯数は自然と多くなります。一方、タワーマンションの敷地は、通常のマンションに比べてそれほど広いわけではありません。

すなわち、土地の面積に対して戸数が多いので、1戸あたりの敷地権の持分は小さくなります。そのため、タワーマンションにおける敷地権の評価額は、相対的に低くなります。

高層階の部屋ほど、税金で得をする

マンションの固定資産税評価額は、部屋の専有部分の広さに応じて決まります。したがって、広さが同じであれば、タワーマンション50階の部屋も、2階の部屋も、固定資産税や相続税額は同額です。

しかし、実際の市場価値はどうでしょうか。タワーマンションは、眺望が最大の売りなので高層階ほど高い価格で販売されています。

また、同じ広さであっても、日当たりの良い南向きや東向きの部屋の方が市場価値は高まります。タワーマンションの高層階で南・東向きの部屋は、高い市場価値を有しながらも低層階と同じ税金しかかからないのです。大変お得な話ですね。

賃貸でさらに減税できる

タワーマンションを所有しているだけでも、固定資産税や相続税は充分に節税できそうです。しかし、タワーマンションを賃貸すれば、更なる節税が可能です。

すなわち、賃貸している建物は貸家、土地は貸家建付地とみなされて、評価額が下がるのです。

親族に貸している場合も、貸家・貸家建付地としての評価が可能です。さらに、親族から時価相当額の賃料を受領していれば、「小規模宅地等の特例」の適用を受けることもできます。

この特例の適用を受ければ、土地部分の評価は最大80%も下がります。節税ができる上に家賃収入も手に入り、一石二鳥ですね。

このように、節税のために様々な手段を尽くせば、市場価値1億5000万円のタワーマンションの課税評価額がわずか3000万円になることもあります。

課税評価額を8割も圧縮できるなんて、すごい節税方法です。

タワーマンション節税でいくら節税できるのか

では、タワーマンション節税の効果はどの程度のものでしょうか。資産3億円をすべて現金で相続した場合と、タワーマンションで相続した場合を比較してみます。

ケース1 3億円を現金で相続した場合

Aさんは、資産家の父親から3億円の現金を相続することになりました。ただ1人の相続人であるAさんは、いくら相続税を支払うべきでしょうか。

現金は、そのままの金額が課税対象となるため、相続税の負担は大きくなりがちです。今回、Aさんに課税される金額は以下のとおりです。

3億円(課税対象)-3600万円(基礎控除)=2億6400万円(課税総額)
2億6400万円×0.45(相続税率45%)-2700万円(控除額)
=9180万円(相続税額)

以上のように、3億円の現金を相続したら、Aさんは9180万円もの相続税を納めなければならないのです。

ケース2 3億円相当のタワーマンションを相続した場合

 Aさんは、資産家の父親が所有する時価3億円相当のタワーマンションを、時 価相当額を支払って賃借していました。

その後、父親は亡くなり、ただ1人の相続人であるAさんは、タワーマンションを相続することになりました。Aさんが支払うべき相続税は、いくらでしょうか。

このケースでは、Aさんは父親のタワーマンションを賃借していました。そのため、タワーマンションは貸家・貸家建付地として税制上有利な扱いを受けます。

さらに、Aさんは時価相当額の賃料も支払っていたので、小規模宅地等の特例の適用対象となります。したがって、今回はタワーマンションの課税評価額を80%減額できたものと考えます。

タワーマンションの課税評価額:6000万円(3億円-(3億円×0.8))
6000万円(課税対象)-3600万円(基礎控除)=2400万円(課税総額)
2400万円×0.15(相続税率15%)-50万円(控除額)
=310万円(相続税額)

上記ケースは、タワーマンション節税が上手く行ったケースです。相続税額はわずか310万円なので、全てを現金で保有していた場合に比べて8870万円(9180万円-310万円)も低くなります。

この方法を使って、本来数千万円は支払うべき相続税を、ゼロにしている人も少なくありません。

注意点

タワーマンション節税の仕組みや節税額を見ると、良いことだらけに見えます。

しかし、タワーマンションは元々高額な物件です。節税のみを目的に、安易に手を出すと、かえって損をする可能性があります。具体的には、以下の点に注意が必要です。

資産が少ない人には不向き

タワーマンションの高層階は高額です。資産の少ない人が無理してタワーマンションを購入すると、売買の仲介手数料や登録免許税などの負担が重くのしかかります。

また、相続税は、資産に応じて税率も上がる累進課税方式をとっています。すなわち、資産の少ない人は相続税率も低いため、タワーマンション節税の恩恵を受けられません。それに、相続税は現金で支払うものですから「タワーマンションを購入してしまって相続税が払えない」という事態になっては、元も子もありません。

タワーマンション節税が効果的なのは、税率が40%から45%に上昇する「相続額2億円超~3億円以下」の方などです。気になる方は、一度税理士などの専門家に相談してみましょう。

タワーマンションの資産価値が減少するおそれがある

上記に加えて、不動産には値崩れのリスクが付きものです。現在、都心のタワーマンション価格が上昇していますが、将来も上昇し続けるとは限りません。

むしろ、東京オリンピック後には、マンション価格が下落するという見解もあります。タワーマンションを購入する際は、値崩れのリスクも十分考慮しましょう。

明らかな節税目的の場合、税務署から「否認」される

タワーマンション節税は、富裕層には大変人気の節税方法です。しかし、すでに国税庁は、あからさまなタワーマンション節税を税務調査で否認する方針を打ち出しています。

実際に、タワーマンション節税が否認されたケースもあります。これは、被相続人が亡くなる1ヶ月前にタワーマンションを購入し、相続の翌年には売却したという事案です。

タワーマンションを利用して、相続人は3億円近い相続税を節税しようとしました。

しかし、
①死亡1ヶ月前の購入で被相続人の意思能力が怪しかった、
②購入から売却までの期間が短い、
③節税しようとした金額が億単位と高額である

等の事情から、最終的には税務署に節税を否認されました。その後、この事案は裁判になっていますが、裁判でも相続人側が敗訴しています。

このように、税務署も頭ごなしにタワーマンション節税を否定しているわけではありません。事案を総合的に判断して、悪質な租税回避行為とみなされた場合に、否認されるおそれがあるのです。

税制が改正される

タワーマンション節税のような裏技は、いつまでも利用できるわけではありません。現金を相続した場合と比べて、相続税の差があまりに大きいため、公平性を欠くからです。

そのため、政府与党は、20階建て以上の高層マンションについて、高層階の固定資産税と相続税を引き上げる方針を固めました。

その分、低層階の固定資産税や相続税は引き下げられることになります。現時点で、税制改正の対象となるのは、2018年以降に引き渡しを受ける物件です。

税制改正後は、同じタワーマンションでも、階層が1階上がるごとに固定資産税が約0.25%高くなります。すなわち、タワーマンションの40階に住んでいる人は、1階より10%ほど固定資産税が高くなるのです。将来的に、過度な節税はできなくなりそうです。

とはいえ、2017年度中に引き渡しを受けたタワーマンションについては、改正前の固定資産税評価額が適用されます。

また、税制改正されたからといって「土地の持分割合が低い」などというタワーマンションの特徴が無くなるわけではありません。今後も、ある程度タワーマンション節税の効果はある程度残ることになります。

まとめ

今回は、タワーマンション節税に関して以下のことが分かりました。

・土地・建物の相続税評価額は、現金に比べて低い
・タワーマンションは、高層階の部屋ほど節税効果が高い
・タワーマンションを賃貸すれば、節税効果がさらに上がる
・明らかな租税回避行為の場合、税務署から節税を「否認」される
・2018年以降、高層階の固定資産税が上がって節税効果が薄れる

富裕層の相続税はかなり重いですから、正しく節税を行えば節税額は数千万円や億単位にも上ります。

タワーマンション節税は、そんな数ある節税方法の中でも、簡単で魅力的な方法であることには違いありません。

とはいえ、節税だけを目的とした取引は、国税庁の税務調査で否認される可能性もあります。

節税するためには、基本的な要件を押さえておくことが大切ですから、専門家と相談しつつ、慎重に行いましょう。

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