弁護士にいくらかかるの?自己破産する前に知っておくべき4つの債務整理の費用と相場

借金の支払いが大変で、滞納もしがちになっている...

そんな風に借金の問題を自分で解決できなくなった人を助けてくれるのが債務整理です。

債務整理はどうすることもできない債務を支払い可能なレベルまで減らす法的な手続きなのですが、弁護士や司法書士にお願いする以上は費用が発生します。

債務整理の内容によっては数十万円どころか100万円に達することもあるので、債務整理を余儀なくされる前に費用も知っておきたいものです。

こちらでは債務整理の相場だけでなく「お得な債務整理」のために知っておくべき情報もご紹介いたします。

債務整理には4つの方法がある

債務整理というと難しく考えるかもしれませんが、今借金の返済で困っている人を助けるための方法です。

4つの債務整理の方法

  1. 任意整理
  2. 個人再生
  3. 自己破産
  4. 特定調整

債務整理の方法は4つありますが、どれも弁護士や法律の専門家に依頼をして返済相手と交渉してもらうことができます。

相談料の相場は1時間5000円ですが、債務整理の場合は相談料を無料にしている弁護士も少なくありません。気軽に問い合わせてみましょう。

1.任意整理とは

任意整理とは債権者(金融会社など)と債務者が直接交渉のもとで和解する手続きのことで、債務整理の対象は多くの場合が利息部分のカットとなっています。

消費者金融から借りている場合や、長年借金をしている場合は利息が多くなりやすいので、任意整理をするだけでも支払いの負担が大きく減ります。

任意整理説明支払計画は基本的に3年。場合によっては5年まで延ばすことが可能です。逆に言えば、任意整理は元本を3年で返せることが条件と言えます。

さらに、利息計算によってこちらの支払った利息が法定利率を超えていった場合はその分を元本に充当させることができ、元本と相殺してなお余った場合は過払い金として返してもらうことができます。

ネット広告でよく見かける「債務整理」「過払い金請求」とはこの任意整理を指すわけですね。

任意整理の費用相場

  • 着手金:2~4万円/1件
  • 成功報酬:実際に減らせたお金の10~20%※複数の弁護士事務所のHPにて調査

過払い金の返還についてもこの成功報酬に準じます。着手金は件数によって増えるので、多重債務者の方が費用もかさんでしまいます。

任意整理で訴訟になった場合

  • 着手金:20~30万円
  • 成功報酬:減額報酬または過払い金の25%

債務を減らすことや過払い金の返還を金融会社が拒否し、ときには訴訟に発展することもあります。

任意整理を司法書士に頼む場合の費用の相場

  • 相談料:無料
  • 着手金:債権者1件あたり2~3万円 ※最近は無料のところも多くなってきています。
  • 基本報酬:債権者1件あたり2~3万円
  • 成功報酬:減額報酬については無料 ※過払い金の返金を受けた場合には、返還額の10%
  • 訴訟:減額金額の25% ※簡易裁判所のみ

弁護士費用と比較するとわかるように、司法書士に頼んだ方が安く収まる傾向にあります。これは司法書士の方が、受任できる業務が限られているからです。

例えば司法書士に頼む場合「140万円を超える案件は受任できない」「簡易裁判所以外での訴訟に携われない」などの制約があります。

後から弁護士を頼むと、さらに着手金がかかってしまいますので、自分のケースでは司法書士に頼んでも大丈夫か十分な検討をしたうえで依頼しましょう。

任意整理の条件

任意整理には特に条件はありません。しかし、将来的な支払いができなければ金融業者も和解に応じてはくれないでしょう。

そこで、任意整理の基本的な支払期間である3年で借金を返しきれるのか、そもそも安定した収入があるのかという点をチェックしましょう。

つまり、安定した収入がなかったり借金の額があまりに大きかったりという場合は自己破産しか選択肢がなくなることが考えられます。

だからこそ、債務整理の相談は返済額が手取りの20%に達する前にすることが望ましいと言えます。

任意整理の3つのメリット

任意整理のメリットは主にこのようなポイントです。

  • 裁判所に行かなくていい
  • 手続きは弁護士にすべてお願いできる
  • 他の債務整理の方法と比べ1番安い

任意整理は直接交渉なので、裁判所に行く必要はありません。和解交渉はお願いしてから1か月後には始まり、長くても半年で決着が付きます。

弁護士や司法書士に代理してもらえば金融業者の人と会う必要もありません。また、書類の送付先も弁護士事務所に指定できるため、家族にばれづらい点も大きなメリットです。

任意整理は自分で行うこともできますが、債務整理をするような状態では取り合ってくれないことがほとんどです。(過払い金の場合は自分で行えますが言いくるめられてしまう危険性があります)

そして、任意整理の弁護士費用は個人再生や自己破産に比べて安いです。

特に個人再生は着手金だけで20~40万円で、さらに成功報酬も発生します。自己破産でも個人再生と同じくらいの着手金がかかります。

任意整理の2つのデメリット

債務整理の中で最もハードルの低い任意整理にはこんなデメリットもあります

  • 利息をカットしても払いきれるとは限らない
  • ブラックリストに載る

利息をカットしても払いきれるとは限らない

多くの場合は3年で返せるから任意整理を選ぶわけですが、必ずしも計画通り返せるとは限らないのが借金の難しいところでもあります。

もし、任意整理後にお金を支払えなければ自己破産せざるを得ません。

こうなると任意整理の着手金+成功報酬+自己破産の料金となります。これだと自己破産するより費用がかかってしまうのです。

対策としては弁護士から「自己破産しかない」と言われたときは潔く自己破産することです。

ブラックリストには5年~10年名前が載る

任意整理は自己破産よりブラックリストの掲載期間が短くなりますが、それでも5年間は名前が載ります。

ブラックリストに載るとは、信用情報機関と呼ばれるところに債務者の「金融事故」が記録されることです。

この情報はほとんどの金融業者が参考とすることから、クレジットカードの発行や新たな融資、ローンを組むことが難しくなるわけです。

ブラックリストに載るものは債務整理の他に3か月以上の滞納です。ただ、任意整理の場合はクレジットカードの発行が可能な場合もあるようです。

2.個人再生とは

個人再生は、債務を大幅に減額できる可能性のある手続きです。こちらは任意整理と違い債務の元本にまで関わります。例えば100万円以上500万円未満の借金であれば、条件を満たすことができれば100万円まで減額されることがあったり、500万円以上1500万円未満の借金であれば最大5分の1に減額されることがあったりという、とてもインパクトの大きな債務整理です。

任意整理では解決できない場合や、自己破産は避けられる場合。特に、住宅ローンを抱えている人が選択しやすい制度です。

いわゆる個人が行う民事再生です。

個人再生は、任意整理と同じく3年でお金を返すのですがこちらは裁判所で手続きを行います。

債務を減らしてもらうわけですからそれを支払えることを証明するために個人再生についての計画書を提出します。そして、債権者の過半数が合意すれば個人再生が成立します。

個人再生の費用相場

  • 個人再生の着手金:40万円
  • 成功報酬:減額した債務の10~20%

個人再生の着手金が高いのは、再生計画を文書にまとめる必要があるからです。

また、任意整理に比べて減らせる債務が多いため費用は80万円程度になることもあります。

個人再生の条件

個人再生の条件は借金が100万円以上、5000万円以下であることです。

個人再生の減額が最大で債務の5分の4であることから、

5,000万円×0.8(5分の4)×成功報酬の相場である20%+着手金40万円=840万円

つまり、個人再生にかかる料金は840万円以内と言えます。ただ、5000万円も負債を抱えている人はなかなかいないでしょう。

そして、再生計画書を作る以上、債務を返済するための安定した収入も必要になります。しっかり働いていることは最低条件ということですね。

個人再生の2つのメリット

  • 債務を大きく減らせる
  • 差し押さえを限定できる

個人再生のメリットは債務を大きく減らせることです。元本も減らせるので、間違いなく任意整理よりはお金を返しやすくなるでしょう。

つぎに、個人再生は財産の差し押さえが行われますが、安定した収入を得るために必要な自宅や車は残すことができます。それがなくなれば再生計画が崩れてしまうからです。

個人再生の3つのデメリット

  • 費用が高い
  • 官報に載る
  • ブラックリストに7年掲載される

個人再生は、費用が数十万円~数百万円に達します。そのため、債務を返すだけでなく弁護士費用についてもしっかり考えなければいけません。

ただし、法的手続きなので任意整理のより確実ではあります。

次に、個人再生は官報に載ります。官報とは個人再生や自己破産を行った人を公開する機関誌で、ネットからも検索が可能です。

とはいえ、官報を熱心に読む人はそう多くないので、身内や知人に個人再生の事実を知られる可能性はまずありません。むしろ、気を付けたいのは闇金融の誘惑です。

そして、個人再生のブラックリストに掲載される期間は5~10年です。年数に開きがあるのは信用情報機関が3つあるからです。

そのなかで、最も長い銀行系の信用情報機関には7年掲載されるわけです。この間は個人再生をしたという事実が金融業者に知られるため新たな融資を受けることは非常に難しいです。

3.自己破産とは

自己破産は、裁判所に破産申し立てをすることで債務をすべて帳消しにする制度です。

最も効力の高い債務整理なので、借金を払えなくなった時の最後の手段と言えます。

自己破産の費用相場

  • 着手金:40~60万円
  • 成功報酬:なし

個人再生と同じく文書作成や裁判所でのフォローが必要なので着手金がかかります。

もちろん、債務をすべてなくす自己破産には成功報酬という概念がありません。

債務をすべてなくす以上、債権者に対してできる限りの弁済はする必要があります。今持っているお金やお金に変えられる資産は差し押さえられます。

この時、債務者が人生の再スタートを切れるように99万円までは手元に残すことができます。余談ですが資産価値のないものも手元に残すことが可能です。

自己破産の2つの条件

  • 支払い不能であること
  • 免責不許可自由に当たらないこと

他の債務整理とは違い、自己破産の場合は返済「できない」ことを証明しなくてはいけません。そうでなくては債務を無くしてあげる理由がないからです。

そして、自己破産の効力が強いため免責できない条件も定められています。

自己破産すべきライン

  • 3年かかっても借金を返せない場合
  • 月々の返済額が手取りの30%に達しそうなとき

こうなると、他の債務整理は使いづらくなります。

免責不許可自由に当たらない3つ

特に気を付けたいポイントは「ギャンブルや浪費をしていないこと」「クレジットカードを現金化していないこと」「債権者をえこひいきしていないこと」の3つです。

まず、ギャンブルや浪費は自己破産の理由として妥当とは言えないと判断されています。

つぎに、クレジットカードショッピング枠を現金化することも詐欺的行為のため禁止されています。

そして、債権者のえこひいきは誰かが一方的に得をすることを防ぐために設けられている免責不許可事由です。

ただし、ギャンブルや浪費に当たる場合でも支払いのための努力が認められれば自己破産できる場合もあるようです。

自己破産のメリットはたった1つ

自己破産のメリットはもちろん、ただ一つです

  • 債務がなくなること

これは自己破産だけのメリットです。自己破産が終わればそのあとの支払いは弁護士費用だけになります。

自己破産の弁護士費用は40万円程度なので分割であれば難しくないでしょう。

自己破産は思った以上に多くの人が利用している手続きですので、決して恥ずべきことではありませんし、債務を放置して裁判を起こされるよりはずっと建設的です。

自己破産の3つのデメリット

自己破産は債務がなくなると言う大きなデメリットと引き換えにこのようなデメリットがあります。

  • 官報に載る
  • ブラックリストに10年掲載される
  • 7年間自己破産できない

自己破産の場合はのちの支払いがないためか、個人再生のように自宅や車を残してもらうことができません

引っ越すタイミングは差し押さえられた持家に買い手が付いた時です。ちなみに、賃貸の場合は自分の財産ではないので引っ越す必要がありません。

そして、自己破産をすると官報に載り、ブラックリストには10年掲載されます。

自己破産の場合はまず新しい融資を受けられませんし、携帯電話を持つこともできなくなります。そのくらい、信頼を損ねてしまいます。

7年間は自己破産できない

さらに、7年間自己破産できないことをいいことに闇金からのダイレクトメールが届くようになります。

生活を立て直す前に誘惑に負けてしまうとそのお金を債務整理することは非常に難しいです。

もちろん、闇金からの借金を返す必要はありませんがトラブルは必至です。恥ずかしくても弁護士への相談が求められます。

4.特定調停とは

特定調停は、裁判所で行うことができる債務整理で任意整理と同じく多くの場合は利息部分のカットに繋がります。

特定調停は裁判官が仲立ちすることで行われ、債権者の合意によって裁判所から決定が出されます。

特定調停の費用相場

着手金:10~30万円

成功報酬:任意整理と同じくらいと考えていい

特定調停の2つのメリット

特定調停のメリットをまとめるとこのようになります

  • 弁護士を雇わなければ数百円でできる
  • 裁判官が補佐してくれる

特定調停は本人で行うことができます。そのため、弁護士を雇う必要性もないと考えられます。

特定調停の費用は数百円で済むので非常にコストが安いですし、裁判官が交渉を円滑にしてくれるので安心できます。

任意整理の場合は和解を反故にされると裁判の必要がありますが、その心配もありません。

過払い金請求とは

過払い金は金融会社の不正によって横行していた

過払金とは、払い過ぎたお金のことですがそれが発生する理由は貸金業法の不備にありました。

民法上は違法でも刑罰の対象にならなかったことから、もう一つの法律である出資法の限界まで利率を引き上げたことで不当に高い利息を支払うこととなりました。

しかし、2006年の判例によって不当な利息は無条件に返してもらえることになりました。

法律の改正は2010年まで段階的に行われたので、少なくとも2010年以前に開始した借金には過払い金の存在が疑われます。

とくに消費者金融から借りた場合は間違いなく過払い金があります。

過払い金返還の費用相場

  • 着手金:2~4万円/1件
  • 成功報酬:返してもらえた過払い金の10~20%

過払い金の請求は、任意整理によって行うので任意整理と同じ費用になります。

債務が完済した後はもちろん、支払い中であっても過払い金が発生していることが考えられます。

ただし、過払い金がなかった場合はブラックリストに任意整理として残るので要注意です。

過払い金についてよくある間違いですが。違法な利息であっても元本と相殺できる範囲は過払い金とは呼びません

あくまで、債務を完済したのにまだ金融会社にお金を支払っている状態を過払い金と呼ぶのです。

だから、違法な利息を支払っているだけで任意整理をすると債務が限りなく減ってもブラックリストに載るので、それを避けたい場合は債務がなくなるタイミングをうかがって債務整理も検討しましょう。

ちなみに、過払い金の多くは債務整理に弁護士事務所を伺った人が利息計算によって気づくのだそうです。

債務整理はどこまで司法書士にお願いできるか

弁護士と司法書士はどちらも任意整理を行うことができますが、司法書士の場合は1件につき140万円以下という決まりがあります。

また、個人再生や自己破産の場合は文書作成支援までしかできないことも決まりとなっています。

そのため、債務の金額が不明確である場合は、間違いなく弁護士に頼んだ方が良いと考えられます。

お金がないけど債務整理の費用はどうやって支払えばいいの

債務整理とは、借金が支払えない人のための制度です。

数十万円もする弁護士費用はどうやって支払えばいいかという心配もあると思います。

しかし、これらの点から弁護士費用が払えない、いわゆる「費用倒れ」は少ないと考えられます。

弁護士費用は分割できる

弁護士費用は1~3年ほどかけて分割払いにできることもあります。すぐにお金を用意できない人でも安心です。

また、収入が少ない方であれば法テラスも使えます。法テラスは国が管轄する法律相談の機関です。

過払い金の返還請求であれば、返ってきた過払い金の一部を支払うため、費用倒れになることはまずありません。

長期に支払っている場合ほど多くの報酬を支払う代わりに多くの過払い金を返してもらえるでしょう。

そのまま借金を支払うよりは良い

たとえ、成功報酬が発生しても減額した債務に比べれば確実に安いものです。

任意整理や個人再生の際は、弁護士費用を含めて3年以内に返せるようにしましょう

これは債務整理で設定できる返済計画がおおよそ3年であるからです。

訴訟で勝つと裁判費用が返ってくるけど諸経費くらい

任意整理、特に過払い金の返還請求である場合は、和解に納得できなければ訴訟を行います。

違法な利息はまず認められないので裁判によって正当な額を返してもらえることは間違いありません。

しかし、弁護士費用が増えることや時間がかかると言うデメリットがあります。

訴訟にかかる費用に弁護士報酬は入りません。

よく、勝訴すれば裁判費用が返ってくると言われますが、それはあくまで裁判に関わる諸経費で印紙代くらいしか負担してもらえません。

弁護士費用まで負担してもらえるわけではないので、訴訟の際は返ってくるお金以上に自分の手元に入ってくるお金について考えましょう。

費用も大事だけど問題は「いくら得をするか」

そして、債務整理の費用について陥りがちなのが「いかに安く費用を抑えるか」にこだわった考え方です。

安上がりに越したことはありませんが、弁護士によっては交渉があまり強くなかったり、早く債務整理を終わらせることばかり考えていたりします。

または依頼者の利益を第一に考えなかったりというリスクがあります。

そこで、報酬の高さ以上に「いくら得をするか」へ目を向けましょう。

知っておくべき4つの債務整理の費用と相場のまとめ

このように債務整理をするときは弁護士費用だけでなく、債務整理の性質、弁護士の実績などを総合して事務所選びをしましょう。

弁護士や司法書士の報酬は高額ですし、債務整理の依頼をためらう気持ちはよくわかりますが、払えない債務を放置していると債務整理の選択肢もどんどん減っていきます。

それに個人での対応には限界があるので、最小限のコストで解決するためには、やはり専門家に依頼するのが一番といえます。

手持ちのお金がないから依頼できないとうい方は、法テラスで弁護士による無料相談をしていますし、経済的に困難であれば弁護士費用の立て替えも行っています。

また事務所によっては分割払いに対応していることもあります。

費用の問題も大切ですが、もっとも重要なことはスムーズに借金問題を解決することです。

 

月々の返済が手取りの20%に達する前に、弁護士に相談するようにしましょう。

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