「不労所得」という言葉をご存知でしょうか。読んで字の如く、「働かずに収入が入ってくる仕組み」のことですね。
実際には全く働かないわけではなく、その仕組みを作る際にある程度の労働を伴ったり、維持・管理していくために労力が必要になる場合もあります。
しかし、通常の労働から考えると、圧倒的に少ない労力しか必要にならないことは間違いありません。
この不労所得を作るにはいくつかの方法があります。種類や難しさによって、月々の収入もまちまちですが、軌道に乗せることができれば、月100万稼ぐことも夢ではありません。
今回は、そんな不労所得を得るための方法を、具体的に紹介していきます。不労所得は始めてすぐに大金が稼げるようなものではありません。ご紹介する中から、自分ができそうなものを選んで、少しずつ軌道に乗せていくことが重要です。
(1)土地や建物を貸す(家賃収入)
土地や建物を他人に貸して、その物件の家賃収入を得るというのは不労所得の中でも代表的なものです。
この方法のポイントはその物件を元々自分が持っていたか、家賃収入を得るために新規で購入したかによって少し変わります。
元々自分で持っていたという場合には、特に費用等は発生していないわけですから、家賃収入として入ってくるお金は全て利益になります。
しかし、家賃収入を得るために新規で購入した場合では、一種の投資になるわけですので、投資金額を回収するための「利回り」が非常に重要になってきます。
この利回りにも「表面利回り」と「実質利回り」があり、より重要なのは実質利回りのほうです。それぞれ計算式を見てみると、
表面利回り=年間収入÷物件価格×100
実質利回り=(年間収入-諸経費)÷(物件価格+購入時の諸経費)×100
となります。不動産は購入する際だけでなく、管理・維持の為にも諸々の諸経費が必要になりますので、それらを考慮に入れた利回りを考えないといけません。
また、入居者がいないことには家賃収入も発生しないため、入居が見込める物件でなければいけませんし、入居者がきちんと家賃を支払ってくれることも重要です。
といったような色々な条件はあるものの、それら全てをクリアできればまさに「不労」所得を得ることが可能になります。
新規に購入した物件であっても、先ほどお伝えした実質利回りが10%を超えていれば、10年経てば投資費用の元は取れるので、それ以降の収入は全て純利益となります。
多くの元手が必要にはなりますが、物件の選定さえ間違えなければ、利益の見込みやすい不労所得だと言えるでしょう。
(2)株式投資
株式投資にはいくつかの方法があります。目的別に分けて解説していきましょう。
短期売買型
まず1つ目は、株を購入した時と売却した時の差額で、利益を生むことを目的とした株式投資です。
実践している人によって売買のスパンは異なってきますが、1日の中で何度も取引を行う人もいれば、2週間ほど様子を見て取引を行う人もいます。
この短期の株式投資で特に重要になるのは、チャートの見方です。過去の値動きから今後株価がどのように変動するかを予測する、テクニカル分析という手法を身に付けていなければ、短期売買で利益を挙げることは難しいでしょう。
また、1つの銘柄のみに絞ってしまうと、その銘柄で損失を出してしまった時のリカバリーが効かなくなってしまうので、分散投資を行ってリスクヘッジを行うことも非常に重要です。
長期保有型
2つ目は株を長期で保有して、配当金を受け取るという方法です。株式投資で不労所得を目指すのであればこの方法が一番堅実であると言えます。
配当金は年に1~2回株主に対して支払われますが、「1株あたりの配当金」÷「購入株価」×100で表される「配当利回り」がどれぐらいになるかによって、その株式が優秀かどうかの判断することが可能です。
配当利回りが2%以上であれば、高配当で4~5%あればかなり優秀です。長期保有を目指す場合には、将来的に業績が伸びるであろう会社を判断できる知識や先見の明と、それを支えるファンダメンタル分析が非常に重要になってきます。
同じ株式投資でも、短期売買型とは求められる能力が全く別物だと言ってもいいでしょう。
長期保有を前提とはしていますが、予想以上に株価が上昇した場合には、売却して利確をすることもあり得ます。
株主優待
最後は少し特殊ですが、株主優待を目的として株式を保有するという手段です。企業によっては、株式を一定数以上保有している株主に対して、「商品券」などで株主優待を行う場合があります。
特に自分が頻繁に利用する百貨店で使える商品券や、よく利用する電車で利用できる回数券などを株主優待で送ってくれる企業の株式を保有しておけば、金銭と同様の価値を持ちます。
株主優待で何がもらえるかは、事前に調べることが可能ですので、株主優待を調べた上でどこの企業の株を保有しておくのか、というような判断をするのもアリと言えるでしょう。
(3)特許を取る
特許と言うと、大企業の研究職に就いている人や、有名大学・大学院で研究活動を行っている人しか、取得できないようなイメージはないでしょうか。
実際にそういった立場の人が取得している特許の数はかなり多いですが、一般人でも特許を取得することは可能です。
独創的で、今まで考えた人がおらず、生活の利便性を向上させうるアイデアであれば、誰であれ申請できるので、特許を利用して不労所得を目指すことは可能であると言えるでしょう。
ただし特許申請までの手続きはかなり大変です。まず自分が「これはすばらしく独創的だ!」と思ったアイデアでも、既に他人が特許を申請しているものであれば、もちろん特許は認められません。
そして個人が考え得るアイデアは、99%以上がすでに先人が思いついていると言っても過言ではないでしょう。
しかしそれでも運よく、誰も思いついていないアイデアを閃く可能性がないわけではありません。
その場合には特許庁に「特許出願書類」を提出するわけですが、この書類は素人が作成するのは非常に難しいと言えます。
そのためこの過程に関しては、弁理士という専門職の方にお任せするのがいいでしょう。弁理士の方にお任せするとすると、手続きには50万円以上の費用がかかることもありますが、必要経費として割り切りましょう。
ここまでして、申請を終えて特許として認められるのはおよそ半分ほどです。この割合を高いと見るか低いと見るかは人それぞれでしょう。
そして特許を取得した後は、その特許の内容を利用したいという企業・個人がどれくらいいるかによって、手に入る不労所得は変わってきます。
特許などにつながる発明を奨励し、科学技術の振興や産業の発展を目的に設立された一般社団法人発明学会の情報では特許を利用して3億円以上の不労所得を手にした主婦の方も過去にいるようですから、夢が広がる話ではありますね。
(4)海外口座に預金する
現在の日本の金利はゼロ金利、マイナス金利と呼ばれるように、銀行に預金しても増えるお金は本当にわずかなものです。
しかし、同じお金を金利の高い外国の銀行に預けることによって、金利による不労所得を得ることが可能になります。
もちろんアメリカや欧米などの先進国の銀行は、日本ほどではないにしても低金利であることがほとんどです。
しかし、為替レートは変動するので今後変わる可能性もありますが、アジアやアフリカ、南米などでは5%、10%超えの金利の国も珍しくありません。
仮に金利が10%の国に1000万円を預けておいて、何もしなくても1年で100万円増えれば、大きな利益になりますよね。
また、銀行の金利は複利で計算されることが多いです。先ほどの例だと、1年間で100万円増えた場合は、元金が1100万円になりますが、今度はその1100万円に対して10%の金利が発生するため、2年目には110万円が増えることになります。
この複利の効果は年を重ねるごとに大きくなっていくため、理論上では元本以上の利益を生み出すことも可能です。
もちろん、大抵の国の場合は現地に行って口座を開設する必要がありますし、今後金利が変動しうるというリスクも付いて回ります。
そのリスクとリターンを天秤にかけても得だと思える場合には、海外口座に預金をすることで不労所得を目指すというのも1つの方法でしょう。
(5)民泊を利用する
(1)でお伝えした不動産を利用した不労所得を目指す場合には、家賃収入以外にも方法があります。それが最近盛り上がりを見せている「民泊」を利用することです。
民泊を活用する場合には、民泊サービスの先駆け的存在であるAirbnbを利用するのがいいでしょう。
Airbnbは宿泊場所を探している観光客などと、空き家や空き部屋を宿泊用に貸し出してもいい、というホストを結びつけるマッチングサービスです。
同じ不動産を利用する家賃収入と比べてみるとどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。メリットは、立地などの条件がよければかなりの高収入が見込めるということです。
デメリットは安定性に欠けるということです。家賃収入の場合は、一度契約してもらえれば、退去するまでは収入が入り続けますが、民泊の場合には1日単位での契約になるため、立地条件や値段設定によっては、利用者が全くいないということにもなりかねません。
しかし無事折り合いがつき、日本でも民泊が許可される道筋がしっかり残されれば、不労所得としての可能性はかなり大きいサービス形態だということができるでしょう。
人口減少の問題で、空き家化・空室化が進んできている日本の問題点も多少なりとも改善できる可能性を秘めたサービスだけに、ぜひとも合法化に向けて進んでいってほしいと思います。
(6)動画投稿サイトへの投稿
動画投稿サイトに動画を投稿して、その再生数に応じて収入を得ることができる仕組みを利用して不労所得を生み出す方法もあります。
この場合は投稿する動画を作成するために色々と労力が必要になるので、完全に「不労」というわけではないのですが、一度投稿しその再生数が増えることで収入になる可能性があります。
動画投稿数やそれらの再生数に応じて、動画が1回見られる度に収入が発生したり、人気のユーチューバーにもなると企業のスポンサーがつくケースもあったりするようです。
ユーチューバーとして収入を目指す場合に重要なポイントは、視聴者のニーズを掴んだ動画のコンセプト作りができるかということです。
一度人気が出始めると、再生数はうなぎ登りになりますし、1つの動画の関連動画として、あなたが今までに投稿した動画が出てきますので、他の動画の再生数ももれなく上がります。
すると全体的な再生数が上がって実績が生まれるので、1再生あたりの収入も増えるといいこと尽くめです。
現状こうした形での不労所得で生活できている人は、本当に数えるほどしかいませんが、一度ヒットを生み出せば、その効果が長く続くことが期待できます。
ハイリスク・ハイリターンな形式の不労所得の生み出し方と言えるでしょう。
ここまでにご説明してきた6つの不労所得の作り方を「簡単さ」「稼げる金額」「労働の少なさ」という3つの観点で比較してみましょう。
家賃収入 | 株式投資 | 特許 | 海外預金 | 民泊 | 動画投稿 | |
簡単さ | 不動産を 所有していれば 簡単 |
専門的な 知識が必要 |
一般的には 難しいと思われる |
現地で口座を 開設する 以外は簡単 |
不動産を 所有していれば 簡単 |
アイデアを生み出せるか どうかがカギ |
稼げる金額 | 立地にもよるが 総じて多い |
当たれば大きい | 特許の内容による。 一般的にはそこまで 多くないか |
預けた国の金利次第。 長期で預けると 金額も大きくなる |
立地にもよるが 総じて多い |
動画の人気次第 |
労働の少なさ | ほぼ必要ない | 短期売買だと多い。 それ以外はほとんど 必要ない |
特許を生み出す まではかなり多い。 |
ほぼ口座を開設 する時のみ。 |
ほぼ必要ない | 動画作成時には必要。 それ以外は特に 必要ない |
それぞれに長所・短所が存在しますね。また、それぞれの方法においてリスクも存在する点には注意が必要です。自分に合った方法を選択するのが重要になってくるでしょう。
不労所得を作る方法について、代表的なものをご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。最近では不労所得を作るための方法も多様化してきています。
しかし全てに共通して言えるのは、「初めてすぐに何十万も稼げるようなものはほとんどない」ということです。
地道な積み重ねを続けていって、何年後かにようやく花開くようなイメージを持っていただいておくといいかと思います。
そのため、不労所得で生活していこうと思っている人は、少しでも早くその種を播きはじめなければなりません。
今回の内容を参考にしながら、ぜひ不労所得作りにチャレンジしてみてくださいね。