ホームインスペクション(住宅診断)のメリットデメリット・費用・注意点・耐震診断との違い

「ホームインスペクション」という言葉をご存知でしょうか?

日本ではまだあまり一般的ではありませんが、アメリカでは中古住宅市場において実に8割以上もの人がその必要性を認識し実際に利用しているとの調査報告もあります。

これからの日本の不動産業界、特に中古住宅市場活性化のための重要なキーワード「ホームインスペクション」

ここではホームインスペクションについて様々な角度から、ざっくりまるごとご説明していきます。

ホームインスペクションとは

「住宅診断」や「建物検査」ともよばれとも呼ばれ、住宅に精通した専門家(ホームインスペクター)が家屋の調査を行い、

劣化の度合いや欠陥の有無、改修すべき箇所と改修時期、改修にかかる費用の概算などを見極め、依頼者にアドバイスを行うものです。

第三者により客観的な視点で診断が行われるため、家屋のコンディションを公正に判断出来るとされています。

診断は基本的に目視検査で行われが、住宅の外周り、室内、床下、屋根裏、各設備機器などの状態をチェックします。

要望があればファイバースコープやサーモグラフィーなど、専門的な機器を使用して調査する場合もあります。

ホームインスペクターとは

ホームインスペクターとは「住宅診断士」とも呼ばれる民間資格で、ホームインスペクションを行うための住宅構造や施工技術など専門的な知識を有します。

そして実際に住宅診断を行い、家屋の状態について依頼者に適切なアドバイスを行うことが出来る専門家です。

検査専門業者や設計事務所、不動産業者の系列会社に所属または委託されている場合が多いです。

ホームインスペクションという考えは、日本に取り入れられてからまだ日が浅く、ホームインスペクターの概念もやや曖昧な部分があります。

■診断業務を行う人■
  • 建築士のような国家資格をもつ人が、ホームインスペクターとして診断業務を行う場合
  • 民間資格であるNPO法人日本インスペクターズ協会(JSHI)公認ホームインスペクター
  • 一般社団法人既存住宅インスペクター教育研究会の既存住宅インスペクター
  • 一般社団法人住宅長期支援センターの住宅メンテナンス診断士

これらを有しているひとが診断業務を行う場合もあります。

ホームインスペクションの目的とは

主に中古住宅の売買において発生する、契約後の欠陥発覚や不具合修理のための多額の出費など、想定外のトラブルを事前に回避することが目的です。

ホームインスペクションにより物件の品質を担保し、売主・買主双方が安心して売買を行えるようにします。

また、家屋を永きに渡り健全に保つためには、適切なメンテナンスが必要であり、ホームインスペクションで不具合箇所を早期に発見し、被害が少ないうちに修理を行う目的にも利用されます。

ホームインスペクションの費用

ホームインスペクションを依頼した場合、大体どれぐらいの費用をみておけばよいのでしょうか?

業者や地域によって異なりますが、大体の下記の金額を目安にするとよいでしょう。

  • 基本的な調査:5~7万円程度
  • 専門的な機器を用いた詳細な調査:9~14万程度

東京、大阪、名古屋の都市部を含むエリアは若干高めに設定されているようです。

ホームインスペクションにかかる時間

売主、買主、不動産業者が立ち合いますので、スケジュール調整の目安として知っておきたいですね。

こちらも業者によって異なりますが、大体は下記の通りです。

  • 木造一戸建:4~5時間程度
  • マンション一部屋:2~3時間程度

ホームインスペクション(住宅診断)と耐震診断との違い

ホームインスペクション(住宅診断)と耐震診断はよく混同されますので、ここで改めその違いをご説明していきます。

ホームインスペクションが「建物を長持ちさせるさせるためのもの」であるのに対して、耐震診断は「建物を地震による被害から守るためのもの」です。

もし、規模の大きな地震が発生した場合、その建物はどの程度耐えられるのか、耐えられないとしたらどのような対策をしたらよいのか、建築士が現状と測定値から得られたデータに基づきアドバイスします。

それは耐震補強工事を行うにあたり重要な指針になります。

従って耐震性に影響のない箇所の劣化状況については診断の対象としません

しかし、それでだけでは人々が求める安心、安全な住まいのイメージとはちょっと違うかもしれませんね。

そこで、ホームインスペクションと耐震診断は同時に行うことが推奨されています。

多くの場合、ホームインスペクションのオプションとして耐震診断を追加することが出来ます。

ホームインスペクションのタイミングは?

ホームインスペクションはどのようなきっかけで行われるものでしょうか?

また実施するのに適したタイミングはいつでしょうか?ケース別にみていきましょう。

Case1.中古住宅を買うとき

中古住宅を購入する場合は、契約を結ぶ前にホームインスペクションを行うのが、買主にとってのベストタイミングであることも多いようです。

この段階で建物の欠陥や不具合が発見されれば、売主の責任で修理してもらうことや、その分の値引き交渉を行うことが可能です。

また、それが重大な欠陥で購入するに値しないと判断すれば、契約を締結しないという方法を選ぶことも出来ます。

契約を行う前であれば、トラブルを引き起こしにくいという利点もあります。

契約以降にホームインスペクションを行う場合は、売主が瑕疵担保責任を負うことを、契約内容で明確にしておく必要があります。

Case2.中古住宅を売るとき

近年、住まいの売却を予定している場合に、売主がホームインスペクションを依頼するケースが増えています。

実行タイミングとしては、不動産業者に査定を依頼する前がベストです。

問題点が発見されれば前もって修理しておけますので、査定価格によい影響が出る可能性があります。

また、購入希望者に安心感を与える、物件の状態を理解して購入してもらえる、

売却後の瑕疵担保責任を求められるリスクを減らすことが出来るなどのメリットがあります。

特に、築年数が経っている物件では、有効な対策といえるでしょう。

Case3.新築住宅を買うとき

いわゆる建売住宅や新築マンションを購入する場合も、中古住宅を買うときと同様、契約を結ぶ前にホームインスペクションを行うのがベストタイミングです。

購入前に物件の状態を把握することで、購入の判断が出来ますから、買主にとってメリットのあることです。

竣工前に契約を結ぶケースもありますので、その場合は、建築中や引渡し前の内覧会(竣工検査)で実施するのが有効です。

契約内容通りに建物が建てられているかをチェックし、問題があれば売主に修理してもらいます。

Case4.中古一戸建ての建て替えか、リフォームかを判断したいとき

ある程度築年数がたっていれば、外観はそれなりに古びてくるでしょうが、躯体まで同様に劣化しているとは限りません。

もちろんその逆もしかりで、見た目以上に躯体が弱っている場合もあります。

このように建物の劣化状況は素人ではなかなか判断できないものなので、建て替えをするきかリフォームにするべきか判断したいときに利用しましょう。

このような場合ハウスメーカーでもなくリフォーム業者でもない、第三者にホームインスペクションを依頼して結果を判断材料とするケースも増えています。

ホームインスペクションのメリット

  • 問題点が発見されれば、売主が前もって修理しておくことができる
  • 購入希望者に安心感を与えることができる
  • 売買交渉時のアピールポイントになる
  • 買主に物件の状況を理解したうえで購入してもらうことができる
  • 売却後の瑕疵担保責任を求められるリスクを減らすことができる

瑕疵担保責任とは

売却した物件に隠れた瑕疵があった場合、売主が買主に対して修理などの責任を負うことです。これは売主が知らなかった瑕疵であっても対象になります。

瑕疵の内容によっては想定外の出費となることもあり、買主との間でトラブルになることもあり得ます。

瑕疵担保責任は買主が知っていて購入した場合は、その瑕疵については責任の対象外になります。

ホームインスペクションの結果から、物件の状況を理解して購入してもらうことは売主にとって大きなメリットです。

ホームインスペクションの3つの注意点

①ホームインスペクションの結果、瑕疵が見つかったら隠してはいけない

売主が瑕疵を知っていて買主への説明を怠った場合は、売買契約で定めた瑕疵担保責任の期間に関わらず、買主から責任の履行を求められます。

瑕疵があれば売りづらくなりますので、売主が事前に修理しておくのが一般的です。

②購入希望者から信じてもらえない場合もある

仲介業務を行う不動産会社やその提携会社でホームインスペクションを行うことも可能ですが、

それでは購入希望者から見ると第三者性に欠けると信用してもらえない場合もあります。

ホームインスペクションを依頼する会社は売主独自で選ぶことが肝要です。

不動産業者の査定も診断結果を受けてから出してもらった方がよいでしょう。

③検査項目が会社によって異なる

日本においてはホームインスペクションの認知度はそれほど高くありません。

また統一基準ももうけられていないので、説得性に欠ける部分がないとは言い切れません

建物に求められているのは安全性

規模の大きな地震が度々起こるようになって、住宅の安全性の注目度がさらにあがっています。

新築・中古に限らず選択基準のなかで安全性はより重要度を増してきています。

先に挙げたホームインスペクションもそうですが、新耐震基準を満たしている建物であることも、評価要素として大きなウエイトを占めるでしょう。

ホームインスンペクション(住宅診断)のまとめ

ホームインスペクションついて、ざっくりまるごとご説明してみましたが、いかがでしたでしょうか?

2016年1月、国土交通省により宅地建物取引業の改正案が提出されました。

そのなかに、中古住宅の売買契約時における、住宅診断義務化に関連する事項が含まれています。

中古物件の情報をより多く開示することで、消費者の不安を和らげ、中古住宅市場の活性化を促すことが目的です。

2018年の施行を目指しており、今後、ホームインスペクションはさらに注目を集めることになるでしょう。

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