放置してはもったいない!賃貸・土地活用・売却など5つの空き家活用方法

「親から実家を相続した」「親が介護施設に入ることになった」などの理由で空き家を所有する場合や、転勤などで自宅が空き家になってしまうケースもあります。

総住戸数に対する空き家の割合は、平成25年には13.5%つまり、7~8軒に1軒は空き家といわれています。

長期間放置された空き家が老朽化し「景観を損なう」「異臭がする」「不法投棄の場所になっている」など、

周辺住民に迷惑をかける「空き家問題」も大きな社会問題になっています。

空き家にしないのが一番ですが、誰も住まない場合は空き家の活用を検討する必要があります。

「賃貸」「土地活用」「売却」など上手に活用すれば、利益を得られるかもしれません。今回は空き家の活用方法をご紹介します。

1.空き家を賃貸住宅(貸家)にして貸す

空き家を賃貸住宅として貸す

空き家になっていても「先祖代々の家だから」「生まれ育った家だから」と手放したくない人も多くいます。

借家として人に貸して、他人に住んでもらえば急激な老朽化が防げるだけでなく、家賃収入が得られ固定資産税などの維持費にも充当できます。

空き家を住居用の賃貸物件とするには不動業者に入居者の仲介を依頼し、入居者の募集、審査、契約を行い入居となります。

それほど手間もかからない方法ですが賃貸物件にするとなると心配な部分もあります。

  • 一度貸したら戻ってこないのではないか?
  • 入居者のマナーが悪い場合や家賃が滞納された場合の対応はどうしよう?
  • 古いので借り手がいないかも。大掛かりなリフォームをする必要はある?

 

大家となる上での不安な面はいろいろとあります。貸家にする上で知っておくべき内容を説明します。

借家契約を知っておく「普通借家契約」

家を貸す際には、借主との契約による双方の合意だけでなく、借地借家法という法律を遵守する必要があります。借地借家法では相対的に地位が弱くなってしまう借主の権利を保護する目的があるため、借主が優位となるように定められています。

一般的に「借家にするとなかなか帰ってこない」といわれるのはそのためです。

まず従来からある「普通借家契約」のポイントを説明します。

契約期間と契約更新

契約期間は1~2年とすることが多く、期間満了時には更新を行います。更新の際には更新料が発生するケースが多くありますが、法律上は更新料の規定はありません。

更新料を徴収する前提で月額家賃を安く設定する場合などは、契約書に明記しておくことが重要です。契約期間を1年未満とした場合には、期間の定めのない契約となり更新そのものが無くなってしまうので注意が必要です。

中途解約

借主からは法律上自由に解約をする事ができます。解約の予告期間や、解約時の金銭の額などは契約書で定めます。

借り主が引き続き居住を希望する場合、貸主から解約の申し入れやの契約更新の拒否は「正当な事由」がない限りできません

借主の家賃不払いなどの契約違反があれば契約解除ができますが、「自分で住みたい」「売却して現金化したい」といった貸主の事情のみでは正当事由にはならず、「住むところを失う」借主側の不利益とのバランスをとって初めて正当事由となります。具体的にいえば“立ち退き料”などの補償を借主に行い、双方が納得した上で解約を行う必要があります。

このように「普通借家契約」では借主の都合以外では解約できないケースが多く、「将来的に自分で住みたい」「転勤や海外赴任中だけ借家にしたい」と考えている人には、空き家を借家として出せなくなってしまいます。

そこで、借家物件の流通活性化を目的に平成12年に借地借家法の改正で定期借家契約が締結できるようになりました。

借家契約を知っておく「定期借家契約」

「定期借家契約」は一定期間だけ貸し出し、更新が無い借家契約です。ポイントは以下の通りです。

契約期間と契約更新

契約期間は自由に定める事ができ更新はありません。契約期間が終了した時点で、貸主は確実に明け渡しを受けることができます。1年未満の契約でも、期間の定めのない契約となる規定は適用されません。

ただし契約期間が1年以上の場合は、貸主は期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に、借主に契約が終了することを通知する必要があります。

貸主が通知しない場合には「期間の定めの無い普通借家契約」になってしまいます。また貸主と借主で合意ができれば、契約期間完了後に再契約を行うことが可能です。

中途解約

契約期間中に借主に「転勤、療養、親族の介護」などのやむを得ない事情が発生し、その住宅に住み続けることが困難となった場合には、借主から中途解約の申し入れができます。

借主の申し入れ日から、1ヶ月が経過すれば契約が終了します。 残り期間の家賃については契約に定める特約などの内容になります。また解約権は、床面積が200㎡未満の住宅に居住している借主のみの権となります。

「普通借家契約」の場合、口頭でも契約は成立しますが、「定期借家契約」では契約期間を定めた上で、公正証書等の書面によって契約することが必要になります。

契約書とは別に「契約の更新がないこと」「期間の満了とともに契約が終了すること」を借り主に説明する義務があります。貸主がこの説明を行わない場合、「定期借家契約」ではなくなり、「普通借家契約」となってしまいます。

また、定期借家制度が施行された平成12年3月1日以前に締結された「普通借家契約」は、借り主と物件が変わらない場合「定期借家契約」への切り替えは認められていません。

定期借家契約と普通借家契約のまとめ

定期借家契約 普通借家契約
契約方法 ・公正証書などの書面が必要

・更新が無く、期間の満了で終了する旨の書面が必要

書面もしくは口頭でも可能
契約期間 契約期間の制限は無し 1年以上
更新 更新は無し 正当事由がない限り更新される
中途解約 ・床面積200㎡未満の居住用建物では、やむを得ない事情により借主から中途解約ができる

・上記以外の場合は中途解約に関する特約の定めに従う

中途解約に関する特約の定めに従う
1年未満の契約 契約として認められる 期間の定めのない賃貸借契約とみなされる
賃貸料の増減 賃貸料に関する特約の定めに従う 双方とも賃貸料の増減を請求できる

貸主にとっては都合の良い「定期借家契約」ですが、賃貸契約全体の3.2%と利用はまだ進んでいないようです。

空き家賃貸契約の種類

「普通借家契約」と比較して借主のメリットが減ってしまうため、普及が進まない面もあります。

借主は期間完了後に再契約できるかわかりませんから、賃貸料も普通借家契約の相場よりも下げないと借主が見つからない可能性もあります。

契約書や通知書など手続きなど貸主の手間がかかることも、敬遠されている理由のようです。

それでも貸主にはメリットの大きい「定期借家契約」ですので、契約条件面で調整しながら上手に活用すると良いでしょう。

借家の自主管理の方法を知っておく

借主が無事決まったとしても、借主の家賃不払いやマナーの悪い借主などのトラブルやクレーム対応、入居中の家の修繕など、大家としての仕事は大変です。それに、不動産からの収益については確定申告も必要です。大抵の方は自分の仕事を続けながら借家を運営することになると思いますので、余計な手間はかけたくないのが本音でしょう。

貸主自身で管理を行う事を「自主管理」といいますが、戸建ての場合はアパートなどとは異なり多くの借主がいるわけではないので、自主管理でも運営できないことはありません。ただし借家の所在地が遠方だったりした場合は、様々なトラブルがあった場合、現地に何度も足を運ぶ対応が必要になる場合もあります。

トラブル対応は気が重い業務ですので、借家が近隣であっても仲介を依頼する不動産業者に管理をお願いするか、専門の管理業者に依頼した方が無難です。管理項目の内容によって金額は異なりますが、家賃の数パーセント程度の管理料は必要になります。

リロケーションやサブリースを利用する方法もある

定期借家契約を利用し、不動産業者が入居者募集や賃貸借契約代行、家賃督促、クレーム処理、敷金返還など賃貸に関する一切の業務を委託する「リロケーション」というサービスもあります。

また、不動産業者が空き家を借り上げ、第三者に転貸する「サブリース」という方法もあります。

リロケーションと同様に賃貸業務は業者が行うので手間はかかりませんし業者によっては家賃保証などのオプションもあります。

これらのサービスでは貸主は一切の業務をしなくて済みます。そのかわり家賃収入は大きく目減りしますが、収益性を重視せず手間をとにかく省きたいのであれば最適です。

ただ業者も収益が見込める物件だけを対象にしているケースも多いので、断られる場合もあります。業者の収益モデルも異なるので1社で断られたとしても、あきらめずに複数の不動産業者に相談する事をおすすめします。

2.借主負担DIY型を利用して老朽化している空き家を貸す

空き家の築年数が経過している場合は、老朽化が進み借家として貸し出せない状態の場合もあります。借家として貸し出すには、住居として最低限の修繕(雨漏り、窓ガラスの破損、水回りや鍵の破損など)をする必要があります。

一方物件の付加価値を付けるため大規模なリフォームやリノベーションを行っても、立地などの条件が悪い場合は借り手が見つからないリスクがあります。賃料に上乗せして回収できるコストは地域の賃料相場に左右されますので、どれだけの費用をかけリフォームを行うかはケースバイケースです。不動産業者と相談した上で、判断した方が良いでしょう。

もし、リフォーム費用の回収ができそうにない場合や費用の捻出が難しい場合などには、「借主負担DIY型」と呼ばれる新しい契約形態の活用も検討しましょう。貸主負担を減らし、借主の自由度を高める契約形態で、国土交通省が空き家問題の解決策の一つとして打ち出しています。

(「空き家」を活用するための知恵袋)/国土交通省http://www.mlit.go.jp/common/001039342.pdf

借主負担DIY型とは

「借主負担DIY型」は貸主が家賃を相場より低く設定するかわりに、借主がリフォームやDIYによる改装をできるようにして、改装した部分は元に戻さなくてもよいというものです。

住む分には問題ないものを「現状有姿型」、故障や不具合があり住むには修繕が必要な「一部要修繕型」があります。貸主は修繕をしないかわりに家賃をさらに下げ、借主は自分で修理するか不具合を承知で住むかを選べます。従来の賃貸契約では貸主が入居前の清掃や入居中の修繕を行う必要があり、貸主は壁紙の張替や壁へのくぎ打ちなどは原則禁止され、退去時には原状回復が求められます。

「借主負担DIY型」では貸主は現状のまま空き家を貸し出すことができ、借主は持ち家の様に自由にリフォームを実施できます。また借主が退去する場合も、原状回復する義務はありません。退去時に借主が行ったリフォーム費用などの請求を貸主にすることはできませんが、エアコンなどの「造作」については残すかどうかは双方で協議する事ができます。

DIY型も含めた賃貸借のタイプdiy%e5%9e%8b%e3%82%82%e5%90%ab%e3%82%81%e3%81%9f%e8%b3%83%e8%b2%b8%e5%80%9f%e3%81%ae%e3%82%bf%e3%82%a4%e3%83%97
「借主負担DIY型」は、リフォームもできず借り手もいない空き家の救済方法の一つのアイデアです。

地方では空き家問題対策と定住支援の施策とセットで、「借主負担DIY型」住宅の紹介やリフォーム費用の補助なども行っている場合があります。興味がある方は、空き家の所在地の自治体の施策を調べてみると良いでしょう。

3.空き家を事業用として貸す

空き家を事業用として貸す

シェアハウスとして貸し出す

これまで戸建てを居住用として賃貸することを説明してきましたが、貸す方法にもバリエーションがあります。部屋が複数ある比較的大きな家であれば、シェアハウスとして貸し出すこともできます。

複数人から家賃収入が入りますので、一軒で貸すよりも収入は多くなります。ただし複数の人間が同時に暮らすのでトラブルになりがちで、契約や入退去の管理など大家としての手間は増えます。

店舗・事務所として貸し出す

立地条件は良いが建物が古い場合などは事業用として貸し出せるかもしれません。

店舗や事務所などの場合は改装が前提になりますが、カフェやショップ、マッサージやネイルサロンなどの用途が考えられます。

地方では自治体が空き家を借上げ、中心市街地のにぎわい事業としてコミュニティスペースや土産物店などに転換している例もあります。

別荘や民泊などの祝初施設として貸す

賃貸住宅ではありませんが、別荘や民泊など宿泊施設として提供する手段もあります。ただし空き家を宿泊施設として、営利目的で提供する場合は旅館業法の規制を受けます

宿泊施設としての許可を得るためには、防災や衛生面での整備が必要になり設備の初期コストがかかります。宿泊施設としての利便性を考えれば立地も重要になるので、現状では限られた空き家だけが対象になるかと思います。

ただし東京オリンピックに向けた宿泊施設確保のため、民泊の規制緩和の動きがありますので、これまでより容易に転用できるようになる可能性はあります。

4.空き家を解体して土地活用する

空き家を解体して土地を貸す

建物付きでの活用が難しい場合には、建物を解体して土地として活用することも検討します。解体費用がかかり固定資産税の減免も受けられなくなりますが、用途は広がる可能性があります。

土地だけを貸す借地、月極め駐車場、コインパーキング、コンテナ式貸し倉庫などとして活用する方法もあります。資金と土地の広さがあればアパートなどの収益用物件を建てることもできます。木造で坪数万~かかる解体費用については、空き家問題対策で補助金が出る自治体もあります。

定期借家と同じく、借地の場合も契約期間満了で借主から無条件で返却される「定期借地」がありますので借地のリスクも減らす事ができます。

解体の際に注意したいのは、以前の建築基準法で建てられた古い建物の場合、現行法の接道義務などに抵触して再建築ができない土地になってしまうケースがありますので事前の確認が必要です。

 

5.空き家を解体して土地を売却する

空き家を解体して土地を売る

売却は空き家の活用方法ではありませんが、不動産資産を流動性の高い現金に変換する活用方法です。現在でも地価が上昇している条件の良い土地であれば、所有し続け活用したほうが良いでしょう。

人口減少が進み地価の上昇も望めないエリアであれば、賃貸などの方法も収益どころか赤字になってしまう可能性もあり、売れるうちに売ってしまうことも検討する必要があります。また、どの活用方法にせよ不動産を持ち続けるのは手間もかかりますので、所有していることに煩わしさを感じる方は売却が第一候補になります。

売却では所有者の気持ちの整理が一番大切になります。特に先祖代々相続した不動産の売却を検討する場合は「自分の代で処分してしまっても良いのか」と悩むと思います。所有者の気持ちが優先されるのは、これまでの活用方法でも同じですが売却は二度と取り戻せないため、気持ちの整理には時間がかかります。

売却のタイミングも重要です。地価は変動していますので相場が下落局面の場合は売れにくく、安価で売るのが嫌であれば相場の上昇を待つ選択もあります。このように売却までに時間が必要な場合は、一時的に定期借家(借地)にして時期を待つ方法もあります。

税制面でみると、空き家問題対策の一環として売却には優遇措置が準備されています。昭和56年5月31日以前の戸建て、売却額1億円以内など複数の条件を満たす必要がありますが、相続した実家を売却処分する場合は、譲渡所得から3000万円の特別控除が適用できます

また建物と土地を一括で売却するか、解体して更地にして売却するかは、建物の状態や立地条件などケースバイケースです。土地活用の時と同じく、老朽化した空き家の解体には自治体から助成がおりる場合もあります。売却の方法は、不動産会社への相談、査定依頼を実施するところから始まります。

土地や建物の売却が得意な不動産業者を探して選ぶのは大変ですが、一括査定なら大手から地域密着型の業者まで一度で依頼できるので便利です。

6.賃貸・土地活用・売却など5つの空き家活用方法のまとめ

建物は老朽化しても地価は上がっていくので、とりあえずっていれば資産として大丈夫という時代は終わっています

不動産が資産であることに変わりはありませんが、活用していなければ価値はどんどん下がっていってしまいます。

特に人が住んでいない建物の老朽化は「空き家問題」と呼ばれるように資産どころか、所有者にも近隣住民にとっても悩みの種になっています。

賃貸などの従来の方法だけでなく、借主負担DIY型賃貸や民泊転用など新しい活用方法も出てきているので、これを機会に見直してみてはいかがでしょうか。

空き家の条件によって活用のベストな方法は違いますが、選択肢が増えたことで有利に活用できるチャンスも増えています。ぜひ活用することをおすすめします。

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売却価格がいくらになるかはまだわかりませんが、不動産会社を選ぶ前に一度やっておくと参考になるかもしれませんね。

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